【第56回】30年越しに叶ったスペイン語学習！？科目履修生の松田智子さんにインタビュー🎤✨
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※この記事は5分で読めます。
みなさん、こんにちは！
今回インタビューさせていただいたのは、退職後、科目履修生としてイスパニア学科の授業を履修されている松田智子さん。
科目履修生と聞いた私は「きっと意識の高い真面目な方なんだろうなー」と想像していました。
だからこそ、松田さんから「私はアリとキリギリスだったら、キリギリスだ」という言葉をきいて驚きました。
松田さんは様々な出来事をどのようにご経験し、なぜそのような考えに至ったのでしょうか？
好奇心とユーモアに満ちた松田智子さんのインタビューです。ぜひご覧ください。
松田 智子 さん
1958年生まれ。大学は教育学部に進学し、理科教師になる。教員5年目にして、校内の青年海外協力隊のポスターを見て、日本人がだれもいないところで生活するという夢を叶えるため、応募する。南米のパラグアイにて、グアラニー語とスペイン語で「理科教師」の活動をする。帰国後、40歳まで教員生活をした後、大学に再入学。看護学を専攻する。助産師資格で再就職。病院で15年間勤続し、60歳で退職。国内外を1年間旅行した後に、神戸市外国語大学の科目履修生となる。
インタビュアー：ここてぃん
執筆：ばやこ
科目履修生 松田さんのキャンパスライフ
では、早速、どんな大学生活を送られていますか？お仕事もされているんですか？
もう引退して、自分のしたいことやっていこうという中で生きてます。
また「人が足りなくって」って誘われて福知山市児童科学館というところで働いていますが。
そこは、去年はシフトが1か月17日だったのを、「今年はせめて10日にしてくれ」って言って（笑）
松田さんの月10回勤務する福知山市児童科学館
レトロなプラネタリウム投影機がある
あと、1人でいるのは気にはならないんですが。1人でいますと、どんどんしゃべらなくなりますので、コンビニで働いています。
そう。笑顔で話しますので、せめて口角が上がるように（笑）
水曜日が3、4限目、金曜日が4限です。
実は、私、ここ四年目なんですよ。
朝に、余裕があるときに働いてます。遊びたいとかのんびりしたいとかで、9時には仕事を終えたいんですよ。だから朝7時から9時。でおしまい（笑）
私もいつも7時出勤なんですよ。同じようなかんじですね😆
スペイン語学習 なぜ神戸市外大を選んだのか？
外大でスペイン語を学ぼうと思ったきっかけってありますか？
スペイン語を勉強しようと思って、まず語学学校とかで探していくとなかなか見つからなくて。
ネットとかなんかで探してた時に、神戸市外大が出てきたので、ついていけるかどうか心配と思いながら来ましたけどね（笑）
でも1年目、2年目のとき結構オンラインの授業も多かったのでそれは助かりました（笑）
でも、ハイブリット方式の時は、できるだけ来るようにはしてました。
退職後、コンビニで働く
えっとですね、定年で辞めた後は、働く気がなくって1年ぐらい遊びまくったんですよ。
退職後は、エリザベス二世号などでショートクルーズをしたり、国内外旅行をして1年間でほぼ退職金を使い果たしたそう。
1年間遊んで、遊びつつもコンビニで働こうと途中で考えて。年取ってからも働けるのかどうかわからなくって、コンビニとかでお薬を売っていている登録販売士の資格は取っといて。
登録販売士の資格はあるんで、年取ってても経験ないけどコンビニで働けませんか？って言ったら「働けますよ」って言ってくれました。
だけどシフトの希望はどんどん減らして「週1回、2時間だけでもいい？」って聞いたら「いいよ」って言ってくれて、「なんて優しいとこだ」って（笑）
コンビニで週1回働かれているというのも、お金のためというよりかは経験のためなんですか？🤔
お金もですけど、週1回だと、月1万円ぐらいにしかならないんですよ。まあ1万円あれば、ちょっと外食ができる!
週何回かは外食ができます。まあそうですね、贅沢しなければ。JRも普通に乗って。できるだけお弁当も自分で作って、服は買わないとか、美容院には年に1、2回しか行かないとか。本はできるだけ図書館で借りて、どうしても買いたいときはブックオフに行く。そういう風にしていくと、まあ何とかなっていくものです（笑）
30年越しに叶ったスペイン語学習
なぜそもそもスペイン語を学ぼうと思ったのか。何かきっかけとか理由とかはあるんですか？
スペイン語を勉強しようと思ったのは30年ほど前に、青年海外協力隊というので、スペイン語圏のパラグアイに行ったんです。その時は私は、楽しむだけ楽しんで、あんまり仕事もせず。
パラグアイでの松田さん。雨が降れば休校、夜はビールを飲んでお肉とマンディオカ（芋）を食べていたら、10kg体重が増加したそうです。
生きていくためだけだったらそんなにスペイン語できなくってもいいんですよ。現地語の先住民の言葉をちょこちょこ言ってたらみんな喜んでくれて、毎日ビールを飲んで、時々誘ってくれたら踊って、というもうほんとに、2年間のバカンスを過ごしました。
そうやってたら、新聞も読めない、ラジオを聞いても何言ってるかわからない状態で帰ってきてしまったんですよ。
帰ってきてから、もったいないことをしたなあと、「もう少しスペイン語が喋れるようになりたいな」と思ったんですが、働いているとね、なかなか勉強もできないし、なんせ田舎なので語学学校もないし、ということで「退職したらスペイン語勉強しよう」ってのはあったんですよ。
なるほど～。青年海外協力隊は、どういう仕事内容だったんですか？
理科を現地の生徒に教えたんですよ。中高生に教えたんですけど、理科って、言語が出来なくても大丈夫なんです(笑)
簡単な実験で、一番最初に「私はスペイン語がよく喋れないから、まず君たちは想像力を働かせなさい」ってことをまず最初に言って（笑）
あまり実験とかしない所だったので、私がちょっと実験してみると、生徒たちがみんな拍手してくれるんですよ！(笑)
本当に楽しかったです！こどもたちに、成績をつけるわけでもなかったので、川から熱帯魚とかを取ってきて、水槽に入れてたら、みんなどんどん追加で持ってきてくれて。ワニを持ってきてくれたこともありますし、大きな蛇とか持ってきたこともありますし、「こんなんがあったー！」って言って。
松田さんとスペイン語の出会い。パラグアイにて。
うん。そんな感じで楽しんでました。遊んでたんです。ほんとに。
じゃあその経験もあり、何年越しにちゃんとスペイン語を学ぼうと思われたんですね。
その気持ちがずっと30年あるってのはすごいですね。
でもまあ若い時からピアノ習いたい習いたい習いたい・・・と思って60からっていうのもありますしね。
それと一緒です。当時は、とにかく生活するための語学だったので、あまり文法とかわからないまま喋っていたので、ちゃんと文法からきちっと勉強したかったんですよ。で、もうこれは・・・外大しかないなって。
イスパニア学科の先生方もすごいって聞きますし、いい環境ですよね。
テレビやラジオのスペイン語教材の先生が、神戸外大の先生が多かったんです。
そうなんです。ですから、なんども「神戸外大 スペイン語」で調べて（笑）
スペイン語4年目で結構学ばれていると思うんですけど、実際学ぶのは楽しいですか？
おお～！ 例えば、どういうところに楽しさを感じますか？
例えば今日の文法の選択問題だったら、なんとなくこれは普通の言い方、こんな言い方は聞いたことないな、で覚えてたので、選ぶのはなんとなく選べるんですよ。
でもそれに、「こういうルールがあるんですよ」ってことを教えていただいて「そうだったんだ・・・！」っていう感じで。そういう風なのがあるとすごく楽しいですね。
耳で聞いてて、あまり教科書には発音は書いてないんですけど、Dがあったら、「ドゥ」じゃなくって、英語のthの発音にずっと聞こえてるのが、ここ来るとそうなんだとか、そういう風なことをちゃんと教えてくださる。
「あ、私ちゃんと聞けてたんだ・・・！」そういう意味で嬉しさもありますよね～
何か発見して理解できたときとか自分が分かってるのに気づけたときとか結構たのしいな～っていう・・
スクールはスカラー、暇な人が行くところだ
今後はどうされるおつもりですか？試験など受験されるんですか。
続けるとなった時はお金もかかるので、どうしようかな～っていうのはあります。
多分、居続けそうな気はしますけどね（笑）
（笑）
じゃあ検定はいつ頃取ろうとかは考えてます？
DELEのB１は去年受けてギリギリ合格したんですよ。
ありがとうございます。本当にギリギリだったんですけど。で、よく受かったなと。後で点数来たら、３０点とらなきゃいけないところが３０点って書いてあって（笑）
まだそこまでの実力はないので、三年間かけて、とは思ってます。だからこの三年後ぐらいには受けれたらいいなと。
いやーでも結構ペース早いですよね。私は英語、中学生の時から授業受けてきてるんですけど、でも始めて数年でB1取れちゃうって。英語でも同じB1とかB2とかあるんですけど、すごいと思います。
いやいやいや、あの本当に、普通の文法とかは全然だめで、例えば、oralの方でしたら、会話で話すところがあるんですね。会話とかそういうのは聞けますでしょ？「全然意味何言ってるかわからないんだけど、わたしこれ言ったらいいの？」とかって。
問題の意味も分からずに、「これ、これ、これについて言ったらいいの・・・？」って言って（笑）そういう風な感じですね。
そっか、筆記にプラスでスピーキングのテストもあるんですね。
筆記があって、二日間あるうちのどちらも短いんですけどね。
あ、楽しいですか。試験も楽しめるってすごく大事なことですね。
多分これが、試験を受けて、何か取っとかなきゃいけないとかなんとかだったら、あれですけど、だんだん年を取ってくると、試験というのが楽しくなるんです。
若いときはね、やっぱり試験に合格するとかしないとか、テストがいいとか悪いとかっていうのが自分の評価になりましたけど、これが別に自分の評価だと思ってないので、楽しくやってます。
昔習った、「スクールはスカラー、暇な人が行くところだ」という言葉を昔習った気がするんですけど、それです。
別に受かっても受からなくってもいいんですけど、せっかく学んだことを何かに役立てたいなと思ってて。私は40過ぎてから、ほかの大学に行って、医療の方の職業についてたんですよ。それとスペイン語を合わせると医療通訳？
で、私の住んでいるところは、スペイン語圏の人あんまりいないんですよね、ですから、あんまりやくに立たないんですけど、前に働いたところだとボランティアでするから呼んでくれたらいいなと。
わ～！いいですね。じゃあまた別の方向でスペイン語を使えたらという感じなんですね。
せっかくだったらね。旅行も行きたいんですけど。スペイン行ったことないので。
そうですね、年取ってから役に立つとかはあんまり考えてないです。ちょっと遊んでても言い訳が立つかなって（笑）
外大生へメッセージ！
最後に、松田さんのように、学生時代、社会人時代にあんまり語学とかうまく勉強できなかったりして、退職後とかに学びなおしたいなとか新しいこと学びたいなと思ってる方も結構いらっしゃると思うので、そういう方に何かメッセージはありますか？
あの～本当に私ふざけて生きて来てるので、退職金を使いながら、「私はアリとキリギリスだったらキリギリスだ」とか言いながら（笑）
今のはね、「アリとキリギリス」のアリさんたちはキリギリスを助けてくれますよね。だから「誰かが助けてくれるだろう」と思ってやってるので。
なんでしょうね～。でも、学びたければ、何かありますよ。で、何か知らないけれど、情報がやってくるものだと思うので。したいことがあれば、外大図書館にいっぱい本もありますので。
使いたい放題ですもんね（笑） いつも外大の図書館でスペイン語の本とか読まれたりとかしてるんですか？
家に帰ったら本当にNetflixのドラマ見てたりとか、本読んでたりとかそんな生活なので。どうしてもすることがなくなったら「はあ、掃除しようかな」とかで全然勉強しようとしないので。ここでしてます。
それで私もよく図書館いるんで、お会いできたら嬉しいです（笑）
今日は、いろいろ興味深い話を聞かせていただいて・・・
いかがだったでしょうか。
青年海外協力隊でのスペイン語圏派遣をきっかけに、30年越しに外大でスペイン語を学ばれている松田さん。
他にも、科学館やコンビニで働かれたり、図書館で勉強されたり、いつまでも向上心を忘れません。しかし、松田さんはインタビュー中になんども「ふざけて生きていますから」と笑顔でおっしゃいました。
何事にもチャレンジしてみようと思える秘訣は楽観性ゆえなのでしょうか。
筆者も松田さんのような柔軟な気持ちで「学びの楽しさ」を味わいたいと思いました。
もっと知りたいという方は以下のサイトをご参照ください。
『松田さんが働かれている福知山市児童科学館』
（一応働いています😅レトロなプラネタリウム投影機のある小さな児童科学館を機会があれば覗いてみて下さい。：松田さんより）
他の社会人学生のインタビュー記事はこちら↓
『【第22回】三度目の大学生活!?社会人大学生・松岡徹治さんにインタビュー🎤✨』
最後に…
ここまで読んでいただきありがとうございました！
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